高畑勲監督作品『かぐや姫の物語』を観て来ました。
今までのアニメーション映画にはなかった,まるで岩絵具を使う日本画のような画面に釘付けになりました。
ストーリーそのものは,古典文学の『竹取物語』とほぼ同じです。
どのシーンもすべて素晴らしいのですが,私のお気に入りはやはり2箇所ある幻想シーンです。
まるで鈴木清順ばりの夢と現実の区別のあいまいな傑出したシーンでした。
こんなすごいアニメーション映画を私は今まで見たことがありません。
この作品は,もしかすると溝口健二の『祇園の姉妹』,小津安二郎の『晩春』に並ぶ,日本映画史に燦然と輝く傑作かもしれません。
これまで,あまり高畑監督作品は好きではありませんでしたが,この1本ですべてがかわりました。
2013年は,楽天イーグルス優勝の年として記憶されると思っておりましたが,大島渚逝去&『かぐや姫の物語』公開の年として永遠に人々の心に刻まれる年号となるでしょう。