美酒礼賛 第15回2016年9月24日(土)

 
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 第15回はブルゴーニュの白です。第1回ではACブルゴーニュ・ブランを第8回ではACコルトン・シャルルマーニュを取り上げました。AOCの格付けからいって最もお手頃のものからブルゴーニュ(というより世界の)白ワインを代表する特級畑までという両極端のセレクションでしたが、今回はちょっとお手頃な白ワインを取り上げます。
 
 

 シャルドネについて、いまさら説明は不要だと思いますが、ちょっとおさらいを。
 ブルゴーニュ原産の白ブドウ品種で、世界中のワイン産地で栽培されています。樽醗酵、樽熟成によくなじみ、古今東西の白の銘酒はほとんどがシャルドネです。シャンパーニュにも用いられ、シャルドネ単一で醸されるものは「ブラン・ド・ブラン」と呼ばれ、高級シャンパーニュの代名詞的存在です。
 
 

 さて、今回取り上げるワインは、
 

 2014 サン・ヴェラン・レ・ポマール(ダニエル・バロー)
 生産地:フランス,ブルゴーニュ地方サン・ヴェランAOC
 生産者:ダニエル・バロー
 品 種:シャルドネ100%

 

 1890年頃にこの地に来たバロー家は現在で4代目。現当主のダニエル・バローは、ブルゴーニュ南部マコネ地区を代表する生産者です。
 ACサン・ヴェランはブルゴーニュ南部マコネー地区の南にある8ヶ村で産する辛口白ワインの総称。フルーティーで軽やかなワインが多いなか,このバローのものは別格のコクと旨味を持っています。そんなバローの所有する畑の中でもこの「レ・ポマール」は信じがたい品質を維持しています。

 
 
 

 抜栓してみると、グレープフルーツやピーチのアロマを感じ、そしてバニラの風味が心地よくつづきます。一口含むと、口当りはソフトで、典型的なシャルドネのボリュームを感じ、それが長くつづきます。たいへん伸びやかなワインです。濃厚でありながらも、やさしい味わいです。余韻も驚くほど長く、最後に鉱物的なニュアンスが残ります。
 標準的なムルソーなどこのサン・ヴェランの前では、沈黙するしかないでしょう!
 
 

 ダニエル・バローのワインは1996ヴィンテージ頃から飲んでいますが、かわらず高品質なシャルドネを造り続けておられるのが、栄枯盛衰のはげしいブルゴーニュにおいてうれしい限りです。
 
 

 ブルゴーニュの白の有名アペラシオン、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェなどの近年の価格の高騰ぶりには辟易としていますが、サン・ヴェランというコート・ドール(黄金の丘)地域ではない、お手頃価格なアペラシオンでACムルソーなどぶっ飛んでしまうようなワインがあることにブルゴーニュの良心を感じます。

 
 

 参考価格:4,600円(税別)

 
 

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