第13回は、オーストリアをの代表する銘醸地ヴァッハウ(現地では「ワッハウ」と発音されているようですが、ここでは慣例に従って「ヴァッハウ」と表記させていただきます)のグリューナー・ヴェルトリーナーです。
オーストリアも21世紀に入り、劇的に変貌しているワイン産地のひとつです。
1985年の「ジエチレングリコール混入事件」によって地に堕ちた信用を取り戻すべく、様々な改革を推し進めてきました。そうして1990年代後半にはオーストリアワインは世界的な評価を受けるまで回復してきました。21世紀になり、さらなる努力が求められるなか、有機栽培を実践する生産者が急速に増えてきました。
今回ご紹介させていただく生産者は、そんなオーストリア自然派の急先鋒とも呼べる存在です。
2013年クロイトレス・グリューナー・ヴェルトリーナー
生産地:オーストリア,ニーダーエステライヒ州ヴァッハウ
生産者:ファイダー・マルベルク
品 種:グリューナー・ヴェルトリーナー100%
当主のペーター・マルベルクは、カリフォルニアのナパヴァレーを振り出しにトスカーナ、スイス、ドイツ、ニュージーランドなどで研鑽を積み、2008年独立。ヴァッハウに醸造所を設立しました。
有機農法を実践し、貴腐果を使用せず、野生酵母で醗酵させ、酸化防止剤の使用はボトリング時のみという徹底ぶりです。その結果として、真にテロワールを反映した、硬質ではありますが、上品でエレガンスに満ちたワインを造り上げています。
抜栓してみると、グレープフルーツやカリン、つづいてパッションフルーツやマンゴーなんどの南国系のフルーツのアロマを感じます。一口含むと、凝縮した果実味と芯の通った美しい酸とのバランスが素晴らしく、すがすがしい余韻が残ります。
この生産者の造るリースリングは硬質な印象が強く飲み手を選ぶかもしれませんが、このグリューナー・ヴェルトリーナーは最初から柔らかく親しみやすいワインです。特に和食との相性は抜群で、(わさび醤油を使わない)お寿司や焼き魚など何でも合わせられるので、私たち日本人にとってたいへん重宝する白ワインです。
生産量はわずか8000本! 希少な1本です。
参考価格:3,800円(税別)
詳しくは、コチラまで。