第12回は、シャンパーニュを取り上げたいと思います。
今回ご紹介するラエルト・フレールは、シャンパーニュの中心地エペルネの南シャヴォー村においてビオディナミ(≒有機栽培)で原料ブドウを栽培している期待の若手生産者です。『ワイナートVol.65』2012年冬号の特集「シャンパーニュ 次世代を担う! 期待の造り手10人」の中に選ばれていました。
NV ウルトラディション・エクストラ・ブリュット(ラエルト・フレール)
生産地:フランス,シャンパーニュ地方シャンパーニュAOC
品 種:ピノ・ムニエ60%,シャルドネ30%,ピノ・ノワール10%
現在の日本のシャンパーニュ市場は、21世紀初頭からから始まったレコルタン・マニピュラン(略してRM:自社畑のブドウのみで造るシャンパーニュ生産者のこと。ブルゴーニュ地方でいうところの「ドメーヌ」。また自前のブドウと買い付けたブドウを使用して造る大手のシャンパーニュ生産者はネゴシアン・マニピュラン:NMという。)のブームも一段落し、グラン・マルクと呼ばれる大手シャンパーニュ・メゾンと中小のRMが良い意味で共存しています。そんな状況下、このRM(ほとんど自社ブドウでまかなっているが、正確にはNM)のラエルト・フレールのシャンパーニュにはどんな特長があるのでしょうか。
1889年設立の家族経営の生産者。現在6代目のオーレリアン・ラエルトが品質をさらに向上させるべく精力的に活動しています。
具体的には、ビオディナミを実践(2005年より)し、収穫後、古典的な垂直式のブドウ圧搾機を使い搾汁、野生酵母を使用し樽醗酵による醸造を行っています。
シャンパーニュの「造り」としては理想的といえるスペックです。
このキュヴェに関しては、実に40%の比率でリザーヴワインをブレンド。瓶内二次発酵終了後、澱とともに6か月間瓶内熟成、最後にドザージュ(甘味付け)はほんの少し(4.5g/L)。デゴルジュマン(澱抜き:出荷直前に行う)は、2014年12月。ちょうど1年前です。
リンゴ、カリン、アプリコットなどのアロマが美しく、味わいはこのクラスのシャンパーニュにしてはたいへん濃厚。素晴らしいです。
この価格でこの味わい!
シャンパーニュ好きなら、泣いて喜ぶ(?)傑出した1本です。
参考価格:6,200円(税別)
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