今回は,まさにCOOL BEAUTYなプイィ・フュイッセをご紹介します。
第29回はブルゴーニュの白です。第1回ではACブルゴーニュ・ブランを第8回ではACコルトン・シャルルマーニュを第15回ではACサン・ヴェラン,そして第25回ではACサヴィニー・レ・ボーヌ1級畑を取り上げました。
さて、今回取り上げるワインは,
2016 プイイ・フュイッセ・オール・クラッセ ”レ・メネトリエール”(J.A.フェレ)
2016 Pouilly-Fuisse Hors Classe “Les Menetrieres” domaine J.A.Ferret
生産地:フランス,ブルゴーニュ地方プイイ・フュイッセAOC
生産者:J.A.フェレ
品 種:シャルドネ100%
1840年設立のプイイ・フュイッセ最良の生産者のひとつ。
2008年ルイ・ジャドが購入し,品質が向上し続けています。
「オール・クラッセ」とは,フェレの最上級キュヴェの呼称です。
オーク樽にて醗酵後,そのまま16ヶ月熟成。
マルメロのアロマにハチミツやトーストの香りが溶けあって複雑な風味を醸し出しています。柔らかな口当たり,濃厚で複雑な味わいを持ち,余韻も長いです。
プイィ・フュイッセの枠をはるかに超えた最上級のブルゴーニュの白です。
今飲んでも美味しいですが,20年以上は熟成できるポテンシャルがあります。
ドメーヌ・フェレは,1840年創立の由緒あるドメーヌ。ブルゴーニュ南部マコネー地区ACプイィ・フュイッセ最良の生産者のひとりです。このアペラシオンにおいてテロワールごとにワインを瓶詰めし始めた最初の生産者でもあります。2008年よりルイ・ジャド社の傘下に入り,さらなる高みをめざしています。
早速、抜栓してみましょう。
色は,淡いゴールド。香りは,まず青りんご,それから柚子,すだち,レモン,オレンジなどの柑橘系,パイナップル,ハチミツ,ブリオッシュ,ヒノキ,…。さまざまなアロマがさざ波のように上品に拡がっていきます。
一口含むと,青りんごの酸味と濃厚な果実味のバランスが厚みのあるボディを生み出しています。余韻にはシークアーサーのような風味が長く残ります。しっとりと落ち着きのある味わいを持ちながらボリューム感もあり,かつ清涼感もあります。
なんてゴージャスなワインなんでしょう。まさに”COOL BEAUTY”という形容がピッタリとくる傑出した1本です。
ワイン評論家のジャスパー・モリスは『ブルゴーニュ大全』の中で「レ・メネトリエールの畑はプイィ・フュイッセの真髄である」と絶賛しています。最良のプイィ・フュイッセがここにあります。
参考価格:9,000円(税別)