第23回はひさびさの泡物です。シャンパーニュに追いつけ追い越せと言わんばかりに品質の追求を続けているフランチャコルタを取り上げたいと思います。
2002年フランチャコルタ・リゼルヴァ・ヴィンテージ・コレクション・ブリュットR.S.(カ・デル・ボスコ)
※2016年春にデゴルジュマン。
生産地:イタリア,ロンバルディーア州フランチャコルタDOCG
生産者:カ・デル・ボスコ社
品 種:シャルドネ50%,ピノ・ネロ30%,ピノ・ビアンコ20%
まずは、生産者のカ・デル・ボスコ社の説明から。
1970年代後半より,フランス人醸造家を招き瓶内二次発酵(=シャンパーニュ製法)によるイタリア産スパークリング(=フランチャコルタ)の製造を開始。以後試行錯誤を重ね,いわゆる年号入りのヴィンテージ・コレクションやプレステージクラスのアンナマリア・クレメンティなどを次々に発表してきました。現在ではベッラヴィスタ社とともにフランチャコルタをけん引する優れたワイナリーになっています。
さて,そんなカ・デル・ボスコ社が2018年に満を持してリリースしたのが,このブリュットR.S.です。R.S.とはRecentemente Sboccatotoha=最近デゴルジュマン(製品化)した,という意味です。シャンパーニュ好きならこの言葉を聞いてピンときた方も多いと思います。そうです。プレステージ・シャンパーニュ最高峰のひとつボランジェ社のR.D.です。2004年のR.D.は13年以上のセラー内熟成を経て2018年の春に市場に出荷されましたが,この2002年のR.S.は12年4ヶ月の熟成を経ています。このことよりカ・デル・ボスコ社のハンパない意欲を感じざるを得ません。
では、早速抜栓してみましょう。
ゴールドのきらめきが繊細な泡立ちとともにフルートグラスの中を駆け上がっていきます。マスカットやレモン,ピーチなどのフルーツのアロマにピスタチオやブリオッシュなどの香ばしさに加えハチミツのニュアンスも。味わいはデゴルジュマンしたての溌剌さと長期熟成による濃厚な熟成感とが相まって,ワンランク上のバランスを醸し出しています。
まさにシャンパーニュを超えた傑出したフランチャコルタです。
2004年のボランジェR.D.が38,000円でこのカ・デル・ボスコR.S.が15,000円。半分以下の価格で最上級のスパークリングワインが味わえるこの贅沢は何物にも代えがたいものがあります。
みなさまも,ぜひ!
参考価格:15,000円(税別)