美酒礼賛 第21回2017年12月30日(土)

 
Malberg-Hochrain-GV
 
 

 第21回はオーストリアの独自品種グリューナー・ヴェルトリーナです。
 オーストリア随一の銘醸地ヴァッハウからの1本です。
 
 

 2013 ホーホライン・グリューナ・ヴェルトリーナー(ファイダー=マルベルク)
 生産地:オーストリア,ニーダーエステライヒ州ヴァッハウ
 生産者:ファイダー=マルベルク
 品 種:グリューナー・ヴェルトリーナー100%
 

 まずは、生産者のファイダー=マルベルクの説明から。
 ナパ・ヴァレーを振り出しにトスカーナ、スイス、ドイツ、ニュージーランドなどで研鑽を積み、2008年独立。ヴァッハウに醸造所を設立。
 ヴァッハウでは不可能と言われていた有機農法を実践し、貴腐果を使用せず、硬質ではありますが、上品でエレガンスに満ちたワインを造り上げています。
 
 

 では、早速抜栓してみましょう。
 直後は、グレープフルーツなどの柑橘系のアロマが支配的。数分後にはマンゴーやピーチなどの熟した甘いフルーツの香りが徐々にわき上がってきます。一口含むと、キリッとした酸をまず感じるのですが、すぐにまろやかな果実の旨味を感じ、フルボディでしかも余韻も長くつづきます。
 

 温暖化の影響でしょうか。近年のヴァッハウのワインは、アルコール度数が高くオイリーで、ニューワールド産リースリングのような少しもたついた印象のものが多いように感じられます。そんな中でこのファイダー=マルベルクのワインは貴重で、かけがえのない個性を有しています。
 
 

 傑出したオーストリアの白です。
 
 

 参考価格:6,500円(税別)