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美酒礼賛 第28回2020年4月23日(木)

 
Sacrisassi_Bianco
 
 

 第28回は北イタリア・フリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア州産の白です。
 
 

 前回にひきつづき北イタリアの素晴らしい個性を持った1本です。
 

 フリウラーノというブドウ品種は,イタリアの最北東にあるフリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア州を中心に北部で栽培されている独自品種です。またリボッラ・ジャッラ種にいたってはフリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア州の一部でしか栽培されいません。
 

 さて,今回取り上げるフリウーリ=ヴェネツィア・ジューリアの白は,これら聞きなれない独自品種2種のブレンドのワインです。
 

 2015 フリウーリ・コッリ・オリエンターリ・サクリサッシ・ビアンコ(レ・ドゥエ・テッレ)
 2015 Friuli Colli Orientali “Sacrisassi” Bianco Azienda Agricola Le Due Terre
 生産地:イタリア,フリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア州フリウーリ・コッリ・オリエンターリDOC
 生産者:レ・ドゥエ・テッレ
 品 種:フリウラーノ70%,リボッラ・ジャッラ30%
 醸 造:醗酵後,フレンチオークで20ヶ月の樽熟成

 
 

 どんな個性が現れるのでしょうか。抜栓してみましょう。グラスに注がれた液体は,ほんのり赤みさす麦わら色。香りは,アーモンド,梅の花,梅干し,ハチミツ,…。一口含むと,口当たりはソフトで,伸びやかな酸に濃厚な果実味が調和しています。豊かなアーモンドのなかに少し梅干しの風味も。ほんのりスパイシーなニュアンスも感じます。余韻はとても長いです。
 なお,サクリサッシSacrisassiとはイタリア語で「聖なる石」の意味。その由来はワイナリーの場所にかつて古い教会があったことにちなんでいるらしいです。
 

 この色調と味わいから,明らかに酸化防止剤不使用で醸造した,バリバリの自然派ワインということがわかります。
 余談ですが,私がこのワインを初めて試したのは(私の記憶が正しければ)2003年でヴィンテージは2000年だったように思います。当時のサクリサッシは,セパージュ(原料ブドウのブレンド割合)にソーヴィニョン・ブランが含まれており,かつ醸造時に酸化防止剤を使用していたためか,2015VTよりも,色は少し緑がかった麦わら色で,味わいもよりスパイシーさが目立っていたように記憶しています。すなわち現在より明快なスタイルであったように思います。
 

 技術的な違いはともかく,サクリサッシは類いまれな個性を持つ白ワインであることは間違いないのです。

 
 

 さて,このサクリサッシにどんなチーズを合わせましょうか。
 ブリーなどの白カビ全般と相性は良さそうですが,ここは少しひねってフランス・スペイン国境のピレネー山岳地帯のハードタイプの名品オッソー=イラティーなどはいかがでしょうか。羊乳特有の旨みがフリウラーノ種の果実味とピッタリとマッチし「しあわせ」を感じます。
 お料理なら,粗塩をひとふりした地鶏のグリルにガッツリと合わせてみたいです。

 
 

 参考価格:5,700円(税別)
 

気になるワイン その792020年4月15日(水)

 
tetta-MBA-Barrique
 
 

 感動のマスカット・ベイリーAに出会いました。♫
 
 
 

 とりあえず、簡単な説明を。
 

<赤>
 2018 マスカット・ベイリーA樽熟成(ドメーヌ・テッタ)
 2018 Muscat Baily A Barrique domaine tetta
 生産地:日本,岡山県新見市哲多町
 生産者:ドメーヌ・テッタ
 品 種:マスカット・ベイリーA100%
 

 2016年設立の新進気鋭の生産者。
 元々は耕作放棄地だった広大なブドウ畑で2009年よりワイン造り
に挑戦。ブドウ栽培から醸造,熟成,瓶詰めまで全てを行っています。
 樽熟成12ヶ月のマスカット・ベイリーA。
 濃厚な果実味に木樽の風味がとけこんで美味しい赤ワインに。
 今後が楽しみな志の高いワイナリーの情熱溢れる1本。
 

 と、まあこんな感じの赤です。
 
 

 広島の県境に近い岡山県新見市哲多町にある「ドメーヌ・テッタ」は,西日本のワイナリーの中で私が特に評価しているところです。
 何が素晴らしいかといえば,まず土壌が良いのです。フランスの銘醸地に似た石灰岩土壌で水はけ良好。標高(約400m)も高く,1日の気温の寒暖差もあり,ブドウ栽培にピッタリなんです。そんな栽培好適地で可能なかぎり農薬を使用せず,ブドウ樹を大切に育てているのです。
 さらに素晴らしいことに,醸造時には野生酵母で醗酵を行ない,補糖も補酸もしないのです。これは決定的に重要なことです。なぜなら,ファインワインを造る上でテロワールの個性を表現するためには,その畑に棲みついてブドウの果皮に付着している野生の酵母で醗酵させなければ意味がないからです。また補糖と補酸はワインの味を人為的に調整することを意味します。それをしないということで,より収穫された果実本来の姿を表現できるのです。
 このように「ドメーヌ・テッタ」は,真に志を高く持った自然派の生産者なのです!
 

 また,ご存知の方も多いと思いますが,コンクリート打ちっ放しのワイナリーにはカフェが併設されており,美味しいランチとケーキ(もちろんワインも!)が食べられるのです。蛇足ですが,ここのお手洗いがまた素敵なんですね。本当に美しいワイナリーなのです。
 
 

 前フリが長くなりました。さっそく抜栓してみましょう。
 色は濃いガーネット。マスカット・ベイリーAに特有のストロベリーキャンディのアロマを感じ,ほんのり木樽のニュアンスも。
 一口含むと,口当たりはやさしく,濃厚な果実味が圧倒的なボリューム感とともに口中に広がります。素直に美味しいと思えるワインです。余韻はさほど長くはありませんが,これはマスカット・ベイリーAというブドウ品種の限界かもしれません。

 樽熟成のマスカット・ベイリーAはかつてダイヤモンド醸造のものを好んで飲んでいましたが,これはそれに匹敵するかそれ以上の素晴らしい出来栄えです。
 

 ただしサービス温度は少し低めの10~12℃がベスト。温度が上がるとどうしてもマスカット・ベイリーA特有の甘さが目立ってきます。
 合わせる料理としては,醤油ダレの焼鳥が定番ですが,関西人の私としてはここは「お好み焼き」でいきたいと思います。

 
 

 みなさまも、ぜひ。

 
 

 さて、気になるお値段は,…。
 
 

 3,200円(税別)です。
 
 

 ではでは。

美酒礼賛 第27回2020年4月11日(土)

 
Anselmet-Muscat
 
 

 第27回は北イタリア・アオスタ渓谷産のミュスカです。
 
 

 シャルドネ,ソーヴィニョン・ブランにちょっと飽きた方にぜひおすすめしたい1本です。
 

 ミュスカ(マスカットのことです)というブドウ品種は,イタリアではモスカート・ビアンコと呼ばれ,国土のほぼ全域で栽培されています。ピエモンテ州のアスティ・スプマンテやモスカート・ダスティ(どちらも甘口)などが特に有名です。また,北アフリカのチュニジアとシチリア島の間に浮かぶパンテッレリーア島で造られるモスカート・ディ・パンテッレリーアは極上のデザートワインです。

 
 

 さて,今回取り上げるヴァッレ・ダオスタのミュスカは,甘口ではなく辛口仕立てです。
 

 陽春にピッタリな白ワインです。
 

 2018 シャンバーヴ・ミュスカ(アンセルメ)
 2018 Chambave Muscat Maison ANSELMET
 生産地:イタリア,ヴァッレ・ダオスタ州ヴァッレ・ダオスタDOC
 生産者:レナート・アンセルメ
 品 種:ミュスカ(=モスカート・ビアンコ)100%
 醸 造:醗酵後,ステンレスタンクにて3~4ヶ月の熟成

 
 

 ヴァッレ・ダオスタ州はピエモンテ州の州都トリノから北へ80kmほどのところにあるフランス国境にほど近いワイン産地。北はスイス,西はフランスに接しています。イタリアで最も小さい州です。「ミュスカ」というカタカナ表記を見てフランス語圏であることがわかります。イタリア語とフランス語の両方が公用語となっているめずらしい州です。州都アオスタから東へ20kmほどのところにシャンバーヴの村があり,そこで栽培されているミュスカを原料に造られる辛口の白ワインがこの「シャンバーヴ・ミュスカ」なのです。
 
 

 それでは抜栓してみましょう。色は,ほんの少し緑がかった淡いイエロー。香りは,花ではユリ,フルーツではメロンやグレープフルーツ,ハーブではバーベナ,ローズマリー,…。そしてハチミツのような甘いニュアンス。アンセルメ社のホームページではこのワインの香りの表現に”kaleidoscopic”日本語で「万華鏡のような」という形容がされていました。まさに万華鏡のようにさまざまアロマの表情を見せてくれます。
 一口含むと,口当りはやさしく,果実味は濃厚でふくらみがあり,アルザス産ミュスカと比べ残糖分は少なくややドライな印象です。
 

 本当に楽しい白ワインです。
 
 

 アルザスのミュスカはどちらかというと個性が強く飲み手を選ぶ場合が多いですが,このシャンバーヴ・ミュスカは誰からも愛されるフレンドリーな風味を持っています。合わせる料理としては,菜の花のペペロンチーノや塩コショウで食べる串カツなんてのも面白いかもしれません。

 
 

 参考価格:3,200円(税別)

 

気になるワイン その782020年4月8日(水)

 
San_Giusto_A_Renrennano

 
 

 王道のキアンティ・クラッシコに出会いました。

 
 

 とりあえず、簡単な説明を。

 

<赤>
 2017 キアンティ・クラッシコ(サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ)
 2017 Chianti Classico Fattoria San Giusto A Rentennano
 生産地:イタリア,トスカーナ州キアンティ・クラッシコDOCG
 生産者:サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ
 品 種:サンジョヴェーゼ主体,カナイオーロ
 

 サンジョヴェーゼの傑作『ペルカルロ』を産み出した生産者。
 そんなワイナリーで造られる普通のキアンティ・クラッシコ。
 それでも品格を感じます。
 豊かな果実味と優雅な酸味をあわせ持つ逸品。
 とても素直でやさしい味わいのキアンティ・クラッシコです。

 

 と、まあこんな感じの赤です。

 
 
 

 中世の農園サン・ジュスト・ア・レンテンナーノは1914年に婚姻を通じてマルティーニ・ディ・ツィガーラ家の所有となりました。現在はアナ,ルチア,エリザベッタ,フランチェスコ,アレッサンドロとルカが共同で農園の経営にあたっています。またここの農園はすべて有機栽培を実践しています。

 

 この名高きキアンティ・クラッシコを最初に飲んだのは(私の記憶が正しければ)2000年で1998ヴィンテージ(以下VTと略します)だったと思います。それから2000VTまで購入し,それ以降は試していませんでした。それから月日は経ち,昨年(2019年)より株式会社ラシーヌの取扱いとなったため,2016VTを7年ぶりに購入しました。そして今年はこの2017VTです。
 
 

 前フリが長くなりました。さっそく抜栓してみましょう。
 色は赤みの強いルビー。カシスやチェリーなどのフルーツのアロマに,黒糖やインクの香りも。
 一口含むと,ほど良い果実の旨味をキアンティ特有のしっかりした酸が支え,プルーンや赤紫蘇の心地よい風味が余韻に残ります。巷にあふれる酸っぱいだけのキアンティとは全く違い,酸と果実味が高い次元で調和しています。
 
 

 2000年頃に飲んだときの方が果実味はより濃厚な印象でしたが,今は良い意味で軽くなり素晴らしく食事に合わせやすいワインとなっています。
 
 

 まさに王道のキアンティ・クラッシコです。
 
 

 みなさまも、ぜひ。
 
 

 さて、気になるお値段は,…。
 
 

 3,800円(税別)です。
 
 

 ではでは。

気になるワイン その772020年3月8日(日)

 
Fleurie
 
 

 感動的なボージョレに出会いました。♫

 
 

 かの大御所ヒュー・ジョンソン師も「最上のボージョレのクリュ。いちごの香りと,絹のようにやわらかな肌理(きめ)が,快楽中枢をワクワクさせる。」おっしゃっておられます。

 
 

 とりあえず,簡単な説明を。
 

<赤>
 2015 フルーリー(ジャド)
 2015 Fleurie “Chateau des Jacques” Louis Jadot
 生産地:フランス,ブルゴーニュ地方ボージョレ地区フルーリーAOC
 生産者:ルイ・ジャド社(シャトー・デ・ジャック)
 品 種:ガメイ100%
 

 1996年ボージョレ地区の高名な生産者シャトー・デ・ジャックはジャド社の所有となりました。
 フルーリーはその名のごとく咲き誇る花のようなかぐわしいワインです。
 美しいアロマと豊かな果実味が素敵な1本です。
 

 と,まあこんな感じの赤です。
 
 

 ところで,フルーリーには私は少し思い出があります。
 私が駆け出しの頃,今から30年以上前の話です。その当時,赤ワインと言えばフランスのボルドーのことでした。試飲会などでボルドーを飲むと,とにかく渋くて苦くて何が美味しいのかさっぱりわかりませんでした。実はワインの勉強を始めて最初の2年間は赤ワインが飲めなかったのです。では何がきっかけで赤ワインが飲めるようになったのでしょうか? ピンッときた方も多いと思います。そうなんですね。ある試飲会でフルーリー(シャトー・デ・ジャックではありません)を飲んだのです。生まれて初めて赤ワインを美味しいと思いました。それ以来,不思議なことにどんなに渋い赤ワインでも美味しく飲めるようになりました。

 
 

 前フリが長くなりました。
 

 さっそく抜栓してみましょう。
 色は濃い赤紫。
 スミレ,カシスやストロベリージャムなどのかぐわしいアロマ。たまり醤油などの醗酵系の香りも。マイルドな口当たり,濃厚な果実味ときれいな酸とのバランスが抜群で,やさしい味わいにもかかわらずある種のインパクトを感じます。もちろん余韻も長いです。フルーリーの真髄を堪能できる1本です。
 
 

 最初にボージョレと聞いて,例の超大量生産のボージョレ・ヌーヴォーの印象を思い浮かべて,いやな予感をお持ちになった方も多いと思いますが,本当のボージョレは全く違います。このフルーリーのような上級ボージョレは,コート・ドールの村名ワインをも凌ぐものがまま存在することを実感していただけるのではないでしょうか。
 
 

 みなさまも、ぜひ。
 
 

 さて、気になるお値段は,…。
 
 

 3,700円(税別)です。
 
 

 ではでは。
 

2020年度春期ワインセミナーのご案内2020年3月7日(土)

 
 
Barolo-Altare
 

 新型コロナウイルスで世の中は騒然としております。
 ですが、あたりを見まわしますと、すっかり春めいてまいりました♪
 
 

 さて、4月からのNHK文化センターで、私が講師を勤めさせていただいておりますワインセミナーの詳細が決まりましたので、ご案内させていただきます。
 
 

①NHK文化センター神戸教室スーペリアクラス(毎月第2金曜日午後6時30分~)
 テーマ:イタリアワインの逆襲
 詳しくは→ kobe
 

②NHK文化センター梅田教室(毎月第1水曜日午後7時~)
 テーマ:イタリアワインの逆襲
 詳しくは→ umeda
※残り若干名です。お急ぎください。
 

③NHK文化センター守口教室(毎月第1金曜日午後6時30分~)
 テーマ:ブドウ品種から見るフランスワイン
 詳しくは→ moriguchi
 

④NHK文化センター京都教室(毎月第2水曜日午後6時30分~)
 テーマ:ブルゴーニュ
 詳しくは→ kyoto
 

⑤NHK文化センター西宮ガーデンズ教室(毎月第2日曜日午後1時~)
 テーマ:ブルゴーニュのテロワールⅢ
 詳しくは→ nishinomiya
※残り若干名です。お急ぎください。
 

 以上5クラスです。
 
 

 ご興味をお持ちの方は各文化センターに直接お問合せください。
 

 ワインビギナーも安心なテーマが多いです♫
 

 みなさま、よろしくお願いします。

気になるワイン その762019年10月10日(木)

 
Kelley-Fox-Ahurani

 
 
久々にしっとりと落ち着いたオレゴンのピノ・ノワールに出会いました。♫
 

 
 

 とりあえず,簡単な説明を。
 

<赤>
 2017 アフラニ・ピノ・ノワール(ケリー・フォックス)
2017 Ahurani Pinot Noir Kelley Fox Wines
 生産地:アメリカ,オレゴン州マクミンヴィルAVA(ウィラメット・ヴァレーAVA内)
 生産者:ケリー・フォックス・ワインズ
 品 種:ピノ・ノワール100%
 

 オレゴンの名門ワイナリーで研修後,2007年に設立。
 ビオディナミの畑から素晴らしいピノ・ノワールを造っています。
 樹齢約20年の区画『アフラニ』より。
 もちろん野生酵母で醸造。フレンチオークで9ヶ月熟成。
 味わいは濃厚でありながら繊細。ブルゴーニュでたとえるなら,コート・ド・ボーヌというよりコート・ド・ニュイか。
 傑出したピノ・ノワールです。

 

 と,まあこんな感じの赤です。
 
 

 当主のケリー・フォックス女史は,大学で生物学と生化学を学び,博士課題を修了する前に彼女はワイン造りの道を選ぶことを決意。ワイン造りについては,オレゴンの熟練生産者たちの元で修行し,オレゴンの伝説的な生産者ジ・アイリー・ヴァインヤードの故デイヴィッド・レット氏から決定的な影響を受けたそうです。様々なワイナリーでの経験後,2016ヴィンテージからやっと自身のワイナリーに専念することがかない,今日に至っています
 
 

 それでは抜栓してみましょう。
 色は濃いルビー。
 クランベリーやカシス,そしてほんの少しリコリスの感じも。口当たりはソフトで,凝縮感のある果実味とともにのびやかな酸を実感できます。それでいて味わいはマイルドでしっとりとした落ち着きを感じます。そして余韻もそこそこ長いです。ニューワールドのピノ・ノワールにありがちな酸の弱さや過剰な濃厚さは微塵も感じられません。
 まさにブルゴーニュ・スタイルな1本です。
 

 さすが,オレゴン産ピノ・ノワールの父と呼ばれる伝説の生産者デイヴィッド・レット氏から薫陶を受けた人です。
 その完成度の高さに惚れ惚れとしてしまいます。
 
 

 ここ数年のブルゴーニュの高騰ぶりには辟易とするものがありますが,しばらくはこの古代ペルシャの「幸福の女神」の名に由来する『アフラニ』でブルゴーニュのピノ・ノワールを疑似体験したいものです。

 
 

 みなさまも、ぜひ。
 
 

 さて、気になるお値段は,…。
 
 

 4,700円(税別)です。

 
 

 ではでは。

2019年度秋期ワインセミナーのご案内2019年9月10日(火)

 
Rauzan-Segla
 
 

 まだまだ暑さの残る9月です。
 
 

 さて、10月からのNHK文化センターで、私が講師を勤めさせていただいておりますワインセミナーの詳細が決まりましたので、ご案内させていただきます。
 
 

①NHK文化センター神戸教室スーペリアクラス(毎月第2金曜日午後6時30分~)
 テーマ:ブルゴーニュの世界
 詳しくは→ こちら
 

②NHK文化センター梅田教室(毎月第1水曜日午後7時~)
 テーマ:ブルゴーニュの世界
 詳しくは→ こちら
※残り若干名です。お急ぎください。
 

③NHK文化センター守口教室(毎月第1金曜日午後6時30分~)
 テーマ:ワイン超入門
 詳しくは→ こちら
 

④NHK文化センター京都教室(毎月第2水曜日午後6時30分~)
 テーマ:ボルドーワイン
 詳しくは→ こちら
 

⑤NHK文化センター西宮ガーデンズ教室(毎月第2日曜日午後1時~)
 テーマ:ブルゴーニュのテロワール
 詳しくは→ こちら
※残り若干名です。お急ぎください。
 

 以上5クラスです。
 
 

 ご興味をお持ちの方は各文化センターに直接お問合せください。
 

 ワインビギナーも安心なテーマが多いです♫
 
 

 みなさま、よろしくお願いします。

美酒礼賛 第26回2019年8月12日(月)

 
Van Volxem_Sekt
 
 

 第26回はドイツ産スパークリングワインのゼクトです。
 
 

 まずはゼクトについておさらいを。
 最もお手頃なシャウムヴァインに始まり,ゼクト,ドイチャー・ゼクト,ドイチャー・ゼクトb.A.の4段階の等級に分かれています。
 
 

 さて、今回取り上げるゼクトは,
 

 2011 ゼクト1900・ブリュット・リースリング(ファン・フォルクセン)
 2011 Sekt 1900 Brut Riesling Q.b.A. weingut Van Volxem
 生産者:ファン・フォルクセン
 品 種:リースリング100%
 醸 造:一次発酵は,野生酵母による木樽醗酵。瓶内二次醗酵後,澱とともに5年間セラーにて保管。
 
 

 このゼクトは文句なしのトップランクの「ドイチャー・ゼクトb.A.」です。その中でも特別なヴィンツァー・ゼクトWinzersekt(醸造所のゼクト)※です。
 

※)個々の醸造所や協同組合が生産したぶどうから造られたベースワインのみを使用し,伝統製法によって造られるゼクト。ゼクトb.A.の条件を満たしており,デゴルジュマンまで最低9ヶ月間酵母の澱と一緒に熟成させる。より高品質のゼクトを生産するため,デゴルジュマンまで数年にわたって熟成させる生産者も。エチケットには醸造所,品種,ヴィンテージの表記が義務付けられている。
 
 

 ファン・フォルクセンといえば,19世紀末から20世紀初頭にかけてのモーゼルワイン全盛期(当時のリースリングは辛口!)のワインを21世紀の現代に復活させるべく邁進している傑出した生産者です。優良なリースリングのクローンを使用して収量を抑制し,野生酵母で醗酵させるという,まさにモーゼルのファインワインを造り続けています。今では,同産地の伝説的な生産者であるエゴン・ミュラー家と比肩しうる存在になりつつあります。
 
 

 ところで,一般的なゼクトといえば,心地よい酸味を持つすっきりとした,食前酒にピッタリな辛口のスパークリングといった感じでしょう。
 

 さて,このゼクトはどうなのでしょうか。
 早速、抜栓してみましょう。
 色はゴールドそのもの。繊細な泡にマンゴー,枇杷(びわ),ピーチなどの美しいアロマ。一口含むと,口当たりはやさしく,しっかりとしたボディを持ち,濃厚なフルーツの味わいが辛口でありながらほとんど辛さを感じさせません。アフターにはマンゴーのフレーバーが長く長く続きます。
 
 

 驚愕のゼクトです!
 こんなにすごいゼクトは,いまだかつて経験したことがありません。シャンパーニュでさえもこれほど伝統的な味わいを持つものは,クリュッグやボランジェなどほんの一握りしか存在しないのではないでしょうか。
 
 

 なお,ラベルに書かれている「1900」とは,1900年頃(100年以上前!)に植樹されたリースリングが一部使用されているからだそうです。
 本当にすごいですね!
 
 

 参考価格:5,500円(税別)
 

美酒礼賛 第25回2019年6月18日(火)

 
Savigny-Clos-des-Guettes
 
 

 第25回はブルゴーニュの白です。第1回ではACブルゴーニュ・ブランを第8回ではACコルトン・シャルルマーニュを第15回ではACサン・ヴェラン取り上げました。さて今回は,…。
 サヴィニー・レ・ボーヌの1級畑の白?です。
 
 

 シャルドネについて、いまさら説明は不要だと思いますが、ちょっとおさらいを。
 ブルゴーニュ原産の白ブドウ品種で、世界中のワイン産地で栽培されています。樽醗酵、樽熟成によくなじみ、古今東西の白の銘酒はほとんどがシャルドネです。シャンパーニュにも用いられ、シャルドネ単一で醸されるものは「ブラン・ド・ブラン」と呼ばれ、高級シャンパーニュの代名詞的存在です。
 
 

 さて、今回取り上げるワインは、
 

 2016 サヴィニー・レ・ボーヌ1級畑クロ・デ・ゲット(ルイ・ジャド)
 2016 Savigny-Les-Beaune 1er Cru Clos des Guettes domaine Gagey
 生産地:フランス,ブルゴーニュ地方サヴィニー・レ・ボーヌ・プルミエ・クリュAOC
 生産者:ルイ・ジャド社
 品 種:シャルドネ100%
 栽 培:ビオディナミ農法
 醸 造:野生酵母で醗酵後、16ヶ月の樽熟成

 

 サヴィニー・レ・ボーヌはペルナン・ヴェルジュレスとボーヌの間に位置しています。ペルナン・ヴェルジュレス側にその『クロ・デ・ゲット』の畑はあります。そこにルイ・ジャド社の経営者一族のガジェ家が1区画を所有しています。すなわちルイ・ジャド社のドメーヌ物(自社畑&自社醸造)のワインです。サヴィニー・レ・ボーヌといえば、圧倒的にピノ・ノワールの赤が有名ですが白もわずかですが造られているのです。そして、この区画ではシャルドネがビオディナミ農法で栽培されいます。
 

 ブルゴーニュ最強のネゴシアン兼ドメーヌであるルイ・ジャド社の説明は特に必要ないと思いますが、少しだけ。
 1859年に由緒あるブドウ栽培家のルイ・アンリ・ドゥニ・ジャドによって設立され、以降ネゴシアンとしてはもちろん、現在ではブルゴーニュに240ha以上のブドウ畑を所有するブルゴーニュ有数の大ドメーヌです。また近年はより自然な栽培を志向し、より健全な果実の収穫をめざしています。
 

 一般的なサヴィニー・レ・ボーヌの赤は、どちらかと言うと濃厚でしっかりした…という形容ではなく、柳腰のエレガントなワインが多いのですが、この白はどうなのでしょうか?
 

 早速、抜栓してみましょう。
 アップル、パイナップル、熟したメロンなどの美味しそうなアロマ。そしてヨーグルトやバニラの風味も。
 一口含むと、最初にグレープフルーツや青りんごなどの苦味や酸味を感じますが、しばらくするとそれがオレンジや焼きりんごに変化し、さらにはハチミツや昆布出しなどの甘味や旨味を感じるようになります。それらが濃厚な果実味と伸びやかな酸と一体となり、驚異的に複雑な味わいとボリューム感を生み出しているのです!
 

 これは、あの偉大なシャサーニュ・モンラッシェに比肩しうる傑出した白ワインです。
 
 

 ブルゴーニュの白の有名アペラシオン、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェなどの近年の価格の高騰ぶりにはあきれるばかりですが、このサヴィニー・レ・ボーヌのクロ・デ・ゲットに関してはお買得というより、超バーゲンセールと言ったほうがいいのではないかと思います。
 
 

 参考価格:6,000円(税別)