堂々としたグラーヴの赤に出会いました。♫
とりあえず、簡単な説明を。
<赤>
2015 クレマンタン・ド・パプ・クレマン
2015 Clementin de Pape Clement
生産地:フランス,ボルドー,グラーヴ地区ペサック・レオニャンAOC
所有者:ベルナール・マグレ
品 種:カベルネ・ソーヴィニョン58%,メルロー42%(栽培面積比率)
シャトー・パプ・クレマンは,グラーヴ地区の優良シャトー。1990年代末より醸造コンサルタントにミシェル・ロランを起用し,劇的に品質が向上しています。これはそのセカンドラベル。
ボルドーの中でもこの地域のワインはスムーズな飲み口のワインが多いです。このワインはそれだけではなく,木樽由来の風味がとても素晴らしく,しっかりとした果実味と相まって気品のある美味しいワインに仕上がっています。
と、まあこんな感じの赤です。
何千というシャトーがひしめくボルドーの中でもグラーヴ地区の赤ワインは,あまり馴染みがない方も多いかもしれません。それもそのはずで,スムーズな飲み口のワインが多いので,同じボルドーのメドックやサンテミリオン&ポムロールと比べてあっさりとした印象でイマイチ人気がありません。そうなると結局レストランのワインリストに載ることも少なくなり,さらに飲む機会が減っていくという悪循環です。
そんなグラ―ヴでも,実は1級格付けのシャトー・オー・ブリオン(*)を始め,シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン,シャトー・パプ・クレマン,ドメーヌ・ド・シュヴァリエ,シャトー・スミス・オー・ラフィット,…と,なかなか豪華なワインが存在しています。
(*)1989年ハリウッド映画『ゴーストバスターズ2』で,主人公のビル・マーレ―とシガニー・ウィーバーがディナーを楽しむシーンに出てましたね。
そのグラーヴのトップクラスのひとつ,シャトー・パプ・クレマンのこれはセカンドラベルです。
セカンドラベルとは,同一シャトー(ブドウ園)内から収穫されたブドウを使用しファーストラベルの品質には届かないものの十分な品質を持つブドウで造られたワインのことを指します。端的に言ってファーストラベルの弟分のワインです。
さっそく抜栓してみましょう。
色は濃いガーネット。プラム,枯葉,腐葉土,チョコレート,…の美味しそうな香り。
一口含むと,口当たりはソフト。ミディアムボディの洗練された果実味が口中に広がります。飲み口は例によってスムーズなのですが,決して味わいは薄くはなくオークの風味と合わさって十分な余韻をもたらしてくれます。
一般的に言って,濃厚でインパクトのあるワインはワインジャーナリストの評価点も高くなる傾向があり,それにつられる形で人気も価格も高くなりやすいです。その点でグラーヴ産の赤ワインはテロワール的にはちょっとビミョーですが,このシャトー・パプ・クレマンは,オーナーのベルナール・マグレ氏の号令一下,力強いワインを造り出すべく前世紀より努力しています。この2015ヴィンテージはまさにその姿勢がストレートに反映された素晴らしい1本に仕上がっています。
合わせる料理としては,これまた王道のローストビーフでいただきたいと思います。
みなさまも、ぜひ。
さて、気になるお値段は,…。
6,000円(税別)です。
ではでは。
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