気になるワイン その792020年4月15日(水)

 
tetta-MBA-Barrique
 
 

 感動のマスカット・ベイリーAに出会いました。♫
 
 
 

 とりあえず、簡単な説明を。
 

<赤>
 2018 マスカット・ベイリーA樽熟成(ドメーヌ・テッタ)
 2018 Muscat Baily A Barrique domaine tetta
 生産地:日本,岡山県新見市哲多町
 生産者:ドメーヌ・テッタ
 品 種:マスカット・ベイリーA100%
 

 2016年設立の新進気鋭の生産者。
 元々は耕作放棄地だった広大なブドウ畑で2009年よりワイン造り
に挑戦。ブドウ栽培から醸造,熟成,瓶詰めまで全てを行っています。
 樽熟成12ヶ月のマスカット・ベイリーA。
 濃厚な果実味に木樽の風味がとけこんで美味しい赤ワインに。
 今後が楽しみな志の高いワイナリーの情熱溢れる1本。
 

 と、まあこんな感じの赤です。
 
 

 広島の県境に近い岡山県新見市哲多町にある「ドメーヌ・テッタ」は,西日本のワイナリーの中で私が特に評価しているところです。
 何が素晴らしいかといえば,まず土壌が良いのです。フランスの銘醸地に似た石灰岩土壌で水はけ良好。標高(約400m)も高く,1日の気温の寒暖差もあり,ブドウ栽培にピッタリなんです。そんな栽培好適地で可能なかぎり農薬を使用せず,ブドウ樹を大切に育てているのです。
 さらに素晴らしいことに,醸造時には野生酵母で醗酵を行ない,補糖も補酸もしないのです。これは決定的に重要なことです。なぜなら,ファインワインを造る上でテロワールの個性を表現するためには,その畑に棲みついてブドウの果皮に付着している野生の酵母で醗酵させなければ意味がないからです。また補糖と補酸はワインの味を人為的に調整することを意味します。それをしないということで,より収穫された果実本来の姿を表現できるのです。
 このように「ドメーヌ・テッタ」は,真に志を高く持った自然派の生産者なのです!
 

 また,ご存知の方も多いと思いますが,コンクリート打ちっ放しのワイナリーにはカフェが併設されており,美味しいランチとケーキ(もちろんワインも!)が食べられるのです。蛇足ですが,ここのお手洗いがまた素敵なんですね。本当に美しいワイナリーなのです。
 
 

 前フリが長くなりました。さっそく抜栓してみましょう。
 色は濃いガーネット。マスカット・ベイリーAに特有のストロベリーキャンディのアロマを感じ,ほんのり木樽のニュアンスも。
 一口含むと,口当たりはやさしく,濃厚な果実味が圧倒的なボリューム感とともに口中に広がります。素直に美味しいと思えるワインです。余韻はさほど長くはありませんが,これはマスカット・ベイリーAというブドウ品種の限界かもしれません。

 樽熟成のマスカット・ベイリーAはかつてダイヤモンド醸造のものを好んで飲んでいましたが,これはそれに匹敵するかそれ以上の素晴らしい出来栄えです。
 

 ただしサービス温度は少し低めの10~12℃がベスト。温度が上がるとどうしてもマスカット・ベイリーA特有の甘さが目立ってきます。
 合わせる料理としては,醤油ダレの焼鳥が定番ですが,関西人の私としてはここは「お好み焼き」でいきたいと思います。

 
 

 みなさまも、ぜひ。

 
 

 さて、気になるお値段は,…。
 
 

 3,200円(税別)です。
 
 

 ではでは。