2018年12月の記事一覧

美酒礼賛 第23回2018年12月15日(土)

 
Ca-del-Bosco-RS
 
 

 第23回はひさびさの泡物です。シャンパーニュに追いつけ追い越せと言わんばかりに品質の追求を続けているフランチャコルタを取り上げたいと思います。
 
 

 2002年フランチャコルタ・リゼルヴァ・ヴィンテージ・コレクション・ブリュットR.S.(カ・デル・ボスコ)
※2016年春にデゴルジュマン。
 生産地:イタリア,ロンバルディーア州フランチャコルタDOCG
 生産者:カ・デル・ボスコ社
 品 種:シャルドネ50%,ピノ・ネロ30%,ピノ・ビアンコ20%
 

 まずは、生産者のカ・デル・ボスコ社の説明から。
 1970年代後半より,フランス人醸造家を招き瓶内二次発酵(=シャンパーニュ製法)によるイタリア産スパークリング(=フランチャコルタ)の製造を開始。以後試行錯誤を重ね,いわゆる年号入りのヴィンテージ・コレクションやプレステージクラスのアンナマリア・クレメンティなどを次々に発表してきました。現在ではベッラヴィスタ社とともにフランチャコルタをけん引する優れたワイナリーになっています。
 さて,そんなカ・デル・ボスコ社が2018年に満を持してリリースしたのが,このブリュットR.S.です。R.S.とはRecentemente Sboccatotoha=最近デゴルジュマン(製品化)した,という意味です。シャンパーニュ好きならこの言葉を聞いてピンときた方も多いと思います。そうです。プレステージ・シャンパーニュ最高峰のひとつボランジェ社のR.D.です。2004年のR.D.は13年以上のセラー内熟成を経て2018年の春に市場に出荷されましたが,この2002年のR.S.は12年4ヶ月の熟成を経ています。このことよりカ・デル・ボスコ社のハンパない意欲を感じざるを得ません。
 

 では、早速抜栓してみましょう。
 ゴールドのきらめきが繊細な泡立ちとともにフルートグラスの中を駆け上がっていきます。マスカットやレモン,ピーチなどのフルーツのアロマにピスタチオやブリオッシュなどの香ばしさに加えハチミツのニュアンスも。味わいはデゴルジュマンしたての溌剌さと長期熟成による濃厚な熟成感とが相まって,ワンランク上のバランスを醸し出しています。
 まさにシャンパーニュを超えた傑出したフランチャコルタです。
 
 

 2004年のボランジェR.D.が38,000円でこのカ・デル・ボスコR.S.が15,000円。半分以下の価格で最上級のスパークリングワインが味わえるこの贅沢は何物にも代えがたいものがあります。
 
 

 みなさまも,ぜひ!
 
 

 参考価格:15,000円(税別)
 

気になるワイン その722018年12月13日(木)

 
Kruger-Pinot-Noir-Reserve
 
 

 またまた3か月さぼっておりました。
 申し訳ございません。ひさしぶりの更新です。

 
 

 前回に引き続き,素晴らしい南アフリカ産のピノ・ノワールに出会いました。♫
 
 

 とりあえず、簡単な説明を。
 

<赤>
 2016 パーリー・ゲーツ・ピノ・ノワール・ヴィンテージ・リザーヴ(クルーガー)
 2016 Pearly Gates Pinot Noir Vintage Reserve Kruger Family Wines
 生産地:南アフリカ,ウォーカーベイ地区WOアッパー・へメル・アン・アルド・ヴァレー
 生産者:クルーガー・ファミリー・ワインズ
 品 種:ピノ・ノワール100%
 

 ステルハイスの当主ヨハン・クルーガーが冷涼な気候のウォーカーベイ地区にある友人の畑のブドウを用いて造る傑出したワイン群。
 もちろん醸造は自社の設備でクルーガー自身が行います。野生酵母で醗酵,フレンチオーク樽(古樽)で11ヶ月熟成。
 カシス,タバコ,腐葉土などの豊かな香り。酸と果実味のバランスにすぐれ,余韻もたいへん長いです。2016年と若いヴィンテージですが,すでに良い熟成を経たピノ・ノワールのニュアンスを感じます。
 ブルゴーニュでたとえるなら,「飲み頃のボーヌ」といった趣きのワインです。傑出した南アフリカ産ピノ・ノワールです。
 

 と、まあこんな感じの赤です。
 
 

 1980年設立のステレンボッシュの高名なワイナリー,ステルハイス・ワインズ(「星の家」の意)のヨハン・クルーガーが同じステレンボッシュ内で所有する別のワイナリーが,このクルーガー・ファミリー・ワインズ。
 原料ブドウは南アフリカ最良のブルゴーニュ品種の栽培地ウォーカーベイにある友人の畑から。
 

 さて,抜栓してみましょう。色は少し暗めのルビー。カシス,タバコ,腐葉土などの複雑な熟成感のある香りがします。一口含むと,明快でボリューム感のある果実味というよりは,熟成してしっとりと落ち着いた味わいを感じます。余韻もそこそこ長く,まるで熟成して本当の飲み頃になったボーヌのピノ・ノワールのような感触です。
 

 なぜ,こんなにも美味しいのか? ちょっと驚いてしまいます。
 そして,価格が高騰しているブルゴーニュと比べ,なんと財布にやさしいピノ・ノワールなんでしょう!

 
 

 みなさまも、ぜひ。
 
 

 さて、気になるお値段は,…。
 
 

 驚きの3,500円(税別)です。
 
 

 ではでは。