美酒礼賛

美酒礼賛 第12回2015年12月10日(木)

 

2015/11/14 11:02

2015/11/14 11:02


 
 

 第12回は、シャンパーニュを取り上げたいと思います。
 今回ご紹介するラエルト・フレールは、シャンパーニュの中心地エペルネの南シャヴォー村においてビオディナミ(≒有機栽培)で原料ブドウを栽培している期待の若手生産者です。『ワイナートVol.65』2012年冬号の特集「シャンパーニュ 次世代を担う! 期待の造り手10人」の中に選ばれていました。
 
 

 NV ウルトラディション・エクストラ・ブリュット(ラエルト・フレール)
 生産地:フランス,シャンパーニュ地方シャンパーニュAOC
 品 種:ピノ・ムニエ60%,シャルドネ30%,ピノ・ノワール10%
 
 

 現在の日本のシャンパーニュ市場は、21世紀初頭からから始まったレコルタン・マニピュラン(略してRM:自社畑のブドウのみで造るシャンパーニュ生産者のこと。ブルゴーニュ地方でいうところの「ドメーヌ」。また自前のブドウと買い付けたブドウを使用して造る大手のシャンパーニュ生産者はネゴシアン・マニピュラン:NMという。)のブームも一段落し、グラン・マルクと呼ばれる大手シャンパーニュ・メゾンと中小のRMが良い意味で共存しています。そんな状況下、このRM(ほとんど自社ブドウでまかなっているが、正確にはNM)のラエルト・フレールのシャンパーニュにはどんな特長があるのでしょうか。
 

 1889年設立の家族経営の生産者。現在6代目のオーレリアン・ラエルトが品質をさらに向上させるべく精力的に活動しています。
 具体的には、ビオディナミを実践(2005年より)し、収穫後、古典的な垂直式のブドウ圧搾機を使い搾汁、野生酵母を使用し樽醗酵による醸造を行っています。
 シャンパーニュの「造り」としては理想的といえるスペックです。
 

 このキュヴェに関しては、実に40%の比率でリザーヴワインをブレンド。瓶内二次発酵終了後、澱とともに6か月間瓶内熟成、最後にドザージュ(甘味付け)はほんの少し(4.5g/L)。デゴルジュマン(澱抜き:出荷直前に行う)は、2014年12月。ちょうど1年前です。

 

 リンゴ、カリン、アプリコットなどのアロマが美しく、味わいはこのクラスのシャンパーニュにしてはたいへん濃厚。素晴らしいです。
 この価格でこの味わい!
 

 シャンパーニュ好きなら、泣いて喜ぶ(?)傑出した1本です。
 
 
 参考価格:6,200円(税別)
 
 

 クリスマス、お正月にいかがですか。
 詳しくは→こちらで。
 

美酒礼賛 第11回2015年10月17日(土)

 

2015/ 9/30 16:08

2015/ 9/30 16:08


 
 
 

<美酒礼賛>
 
 

 第11回は、ボルドー辛口白の定番、グラーヴの白ワインです。
 グラーヴの白といえば、オー・ブリオンの白を筆頭に、目の覚めるようなラヴィル・オー・ブリオン、堅実なドメーヌ・ド・シュヴァリエ、…。ミドルクラスではトップをうかがうスミス・オー・ラフィット、帆船のエチケットが人気のマラルティック・ラグラヴィエールなどキラ星のようなシャトーが多く存在しています。
 
 今回ご紹介させていただくワインは、これらスターの仲間入りをするかもしれない小規模ではありますが傑出したシャトーです。
 
 

 2014年シャトー・ミルボー・ブラン
 生産地:フランス,ボルドー地方ペサック・レオニャンAOC
 所有者:デュブレイ夫妻
 品 種:ソーヴィニョン・ブラン100%
 
 

 1996年現オーナーになり,積極的に改善が行われました。
 ブドウ栽培は2005年よりビオディナミを実践(認証は未取得)。収穫は手摘み。醸造は樽内で野生酵母にて発酵させ、そのまま6か月間バリック熟成させます。
 

 抜栓してみると、グレープフルーツのアロマを感じ、そのすぐ後に心地よい木樽のの香りがつづきます。一口含むと、すがすがしい酸と濃厚でなピュアな果実味のバランスが素晴らしく、余韻もたいへん長いです。
 樽の使い方が絶妙で、10年ぐらいはグラーヴ産ソーヴィニョン・ブランの美味しさを堪能できそうです。
 

 実は、シャトー・ミルボーは1900年代の初頭ボルドーのグラン・ヴァン(偉大なワイン)のひとつに数えらるほど人気があり、当時高値で取引されていたそうです。現オーナーのデュブレイ夫妻は100年前の人気を復活させるための努力を日夜続けておられるのです。
 

 生産量はわずか1000本! 例によって超希少な1本です。
 
 

 参考価格:4,300円(税別)

美酒礼賛 第10回2015年8月8日(土)

 

2015/ 8/ 5 16:07

2015/ 8/ 5 16:07


 
 

 第10回はフランスお手頃白ワインの定番、ミュスカデです。
 ミュスカデは、ロワール河口の街ナント周辺で造られるサッパリとした辛口の白ワインです。日本国内でもスーパーマーケットなどで大量に販売されています。フランスワインにしてはめずらしく、ブドウ品種の名前がワインの名前(AOC)になっています(通常は産地の名称がワインの名称になる)。
 

 今回ご紹介させていただくミュスカデは、それらとは一線を画す傑出したものです。
 
 

 2011年ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ・エクスプレッシオン・ド・ナイス(レキュ)
 生産地:フランス,ロワール川流域ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌAOC
 生産者:ドメーヌ・ド・レキュ(=ギー・ボサール)
 品 種:ミュスカデ100%

 
 

 生産者のギー・ボサールは、ナント近郊で祖父の代から有機農業を実践していました。1997年にビオディナミに転換し,この地方の象徴的存在になりました。現在はビオディナミの指導者的役割を担っています。
 
 

 ところで、ミュスカデというブドウ品種は別名をムロン・ド・ブルゴーニュMelon de Bourgogne(ブルゴーニュのメロンの意味)といい、元をただせばブルゴーニュ地方原産。あの高貴品種シャルドネとは遺伝的に兄弟の関係ということらしいのですが、ちょっと驚きです!

 
 

 抜栓してみると、ミュスカデ種特有のメロンやグレープフルーツといったアロマの中から力強いヨードの味わいが現れる骨太な1本です。余韻もたいへん長く、のどごしの心地よさは他のミュスカデの追随を許しません。
 また「エクスプレッシオン・ド・ナイス(直訳:片麻岩の表現)」とは片麻岩土壌におけるテロワールTerroirの特徴がよく表れたワインを意味しています。
 
 

 真夏の定番BBQ。
 キリッと冷やしたこのミュスカデと魚介類はもとよりチキンのグリルにも合わせたいすぐれものの白です。